震診断ニュース

毎日新聞(全国版) 2008年6月4日(水)朝刊    



備える:耐震診断・補強/6 効果的な方法、選んで実施

 一口に「耐震補強」と言っても、基礎や壁、接合部の補強など、その方法はさまざまだ。

 日本木造住宅耐震補強事業者協同組合によると、補強方法には▽基礎補修(ひびの補修、鉄筋が入っていない「無筋基礎」の外側に鉄筋コンクリート造りの基礎をつなげる)▽壁の補強(筋交いを入れる、構造用合板や耐震ボードを使う、開口部を減らして新しい壁を増やす)▽土台・柱下の改善(土台の取り換え、腐ったりした柱を取り換えてつなげる)▽接合部など(柱の「ほぞ抜け」防止のため基礎と柱を緊結、屋根の軽量化)−−などがある。

 重要なポイントは、きちんと効果が上がり、診断で出た「評点」が上昇する補強を行うことにある。自宅の耐震診断で評点が0・18と判定され、「大地震で倒壊する可能性が高い」と指摘された西東京市中町の主婦、清水恵満子さん(60)も耐震補強をすることになったが、5月9日からの耐震補強工事を前に、やらなければならないことがあった。家具など家中の荷物の移動だ。

 家具の重みや老朽化で、「床傾斜が見られる」と診断された2階東側の洋室。パソコンなどは1階に運んだ。たんすは大きすぎて階段で1階に下ろせないため、業者に解体してもらって処分した。「こんなに荷物があるとは思わなかった」と清水さん。工事開始前後はこうした作業が続き、気づくと自分たちの寝る場所がない。結局、親類宅に身を寄せたり、会社に泊まったりすることになった。住み続ける中で補強工事をすることは、想像以上に負担がかかることを痛感した。

 補強工事は、耐震診断を実施した建築士の小平弘さん(66)が経営する建設会社が行う。小平さんのほか、現場監督と大工2人が担当。2週間かけ、耐震基準を満たす「評点1・0以上」まで強度を引き上げるための作業を行う。耐震診断で「床下の湿気が多く、かびの臭気が出ている」と指摘された1階の浴室周りでは、床が開けられ、水漏れで腐った土台に代えて、防腐処理やシロアリ対策を施した土台を入れることにした。【樋岡徹也】=つづく

毎日新聞 2008年6月4日 東京朝刊


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